以前の恩師が日本ワクチン学会の会頭であったこともあり、予防接種にはこだわりがあります。
ワクチンはどこで接種しても同じではありません。
予防接種法関連法令に従って、適切かつ効率的に接種することが大切です。
現在の標準的な予防接種スケジュールは下記の通りです。
当院ではより安全に、かつ有効性を向上させるため、実施規則の範囲内で通常のスケジュールを工夫して接種しています。
①1回の注射を出来るだけ2本以内とする。
Hib+小児肺炎球菌+4種混合+B型肝炎+ロタテックで24種混合となります。
一度に接種する数が多いほど発熱や腫脹の頻度が上がります。
このため重症心疾患などの児には分割投与することが一般的ですので、それに準じて接種しています。
② Hib・小児肺炎球菌・4種混合・B型肝炎 の3回目を10か月頃に移動
これらは1期2回接種で基礎免疫はつきます。3回目を6か月離すことで追加接種のブースター効果が期待できます。
B型肝炎については、3回目を1期接種から半年以上空けないと、海外で追加接種とされない場合があります。
③生後半年以降は、大腿部への接種は避ける。
上記の方法では大腿部への接種は不要になります。
つかまり立ちができる時期以降での大腿部の接種では、歩行に問題が発生した事例があります。
④不活化ワクチンの接種では、同じワクチンを同じ部位に反復接種しない。
不活化ワクチンの接種では接種部に1年間ほど炎症性肉芽腫ができます。
ほとんどは自然吸収されますが、同部位の反復投与は避けるべきと考えます。
予防接種は意外と正確に行われていません。
下記に適切な接種部位を示します。
これに反した接種をしている医療機関は避けるべきでしょう。(特にBCG)
※BCGを正しく接種すると、「気をつけ」の姿勢で、上腕の外側真ん中に縦に並ぶはずです。