1.生後3か月頃までは皮脂分が多いので、しっかり洗いましょう。

新生児が胎脂というラードで包まれた様にして生まれて来るように、生後しばらくは皮脂分の分泌が活発です。これは妊娠中に胎盤から作られる大量の女性ホルモン(主に黄体ホルモン)が胎児にも同レベルに移行するためです。(皮脂分の分泌は主に性ホルモンの作用です)臍の緒を切ってからもこれが3か月位残りますので、この間は皮脂分泌が多い状態が続きますから、石鹸成分などを使った弱アルカリ性のベビーソープなどで全体的にしっかり洗って下さい。特に脂漏部位と呼ばれる、額や鼻周囲の頬部などは念入りに洗いましょう。

2.赤ちゃんの洗い方

 基本的にタオルではなく、手で洗ってあげて下さい。こうすると皮膚の状態もよくわかります。特にガーゼタオルは糸を編んだもので、柔らかそうですが実は「アカスリ」になってしまいます。乳幼児の皮膚には角化層がないので垢はでません。

お母さんの洗顔の要領で、手に洗剤を泡立てて撫でるようにして洗ってあげて下さい。

3.生後3カ月頃からのスキンケア

 3か月を過ぎると思春期まで皮脂分はむしろ少なくなり、乾燥気味になりますので、却って洗いすぎに気を付けて下さい。 関節などのしわの内側や外陰部周囲など汚れがたまりやすい部分をを中心にして、全体には週2-3回洗えば十分と思います。また新生児用のベビーソープは上記の理由でかなり強力ですので、この時期には一般的な子供用の、弱酸性やアミノ酸系のボディソープ・シャンプーで十分です。

冬場などで乾燥肌気味でしたら、入浴後保湿性のクリームやローションを塗ってあげましょう。(ワセリンは油脂ですので、汗疹などになりやすく、湿疹部位以外にはお勧めできません)「乳児用」と表示されている商品は全成分表示が義務付けられており、大体問題ないと思います。

 以前より夏から秋に生まれた子は、アトピー性皮膚炎になりやすいと言われてきました。この理由は皮脂分が減少して乾燥肌になる頃に冬場を迎えると、乾燥肌が強い部位からアレルゲンが擦りこまれてアレルギー性疾患を引き起こすためと考えられるようになりました。アレルギー性疾患の予防のためには、適切なスキンケアと早めに湿疹を治療することが最も大切です。